瞳は何を見つめている


先週の土曜日、会社の仕事が臨時休業になったので、美術鑑賞と洒落込みました。

名古屋市美術館にて開催中の特別展「アメデオ・モディリアーニ展」です。


モディリアーニの絵というと、瞳が描かれていない、撫肩で、デフォルメされた

暗い感じの肖像画のイメージが、私の印象の中にありました。


今回、作品を観て思うこと。

モディリアーニの裸婦画には、力強い生命力を感じました。

今にでも絵からモデルが飛び出してきそうな勢いがあります。

それから、肖像画からは、人への優しさ、尊敬の念、慈悲深さを感じ取りました。


瞳が描かれていない目は何を見ているのか、わかりません。

モデルたちの口元の表情やからだのポーズを眺めていて想像してみると、

あまり暗い感じはありません。

むしろ、安堵感、やすらぎ、癒し、誇り、喜び、人間らしさ、こんな表現が似合うのでは....

彼は、100年先の未来に生きている私たちに明るい希望を残してくれたのでしょうか。



ところで私の大好きな「おさげ髪の少女」はいつもの地下常設展示室ではなく、

2階特別展展示室に堂々と飾られていました。

私は、何時間この絵を眺めていても飽きません。

まっすぐにこちらに向けられた少女の瞳に、私は純真無垢な心と希望を見つけたからです。



この絵には、ちゃんと、目の中に瞳が描かれています。

「目は口ほどに物を言う」といいます。


だから家族や親しい人たちと会話をするとき、瞳をみつめて、話しかけてみようと

ふと思いました。